どうせ、何も、変わらない。 #GoVote1031

こんばんは。GO VOTE JAPAN の発起人の一人の牧野です。普段は広告やデザインの仕事をしています。

GO VOTE JAPANは10月19日、総裁選の公示日にスタートしました。辻愛沙子・田代伶奈を中心にした、有志のメンバーで進めています。このプロジェクトは、とにかく「投票に行く」ことを肯定し、促し、啓発することを目的としています。もちろん、どの政党や政治家を支持するのかはそれぞれの自由です。

WEBサイトはこんな感じのPOPなイメージになっています。ここでまず「 #投票宣言」というものができます。素敵なアーティストの方に提供してもらったカードを選び、気になるイシューをポチポチしてTwitterでシェアできる、というものです。



SNSでわざわざ「投票にいこう/いきます」ってつぶやく人はそれほど多くない。けれど、こういう「気軽にPOPにシェアできる仕組み」があれば、これを「きっかけ」にしてくれる人は増えるのではないか・・・そんな期待をもって作りました(実際に一週間で5000人ほどの方がシェアしてくれました)。

それとは別に、様々な方に参加していただき「#わたしが選挙にいく理由」を動画にしたり、記事をつくったりしています。

動画ページはこちら

**********

「政治を気軽で身近なポップなものに」

日本では、「政治の話はヨソでしてはいけない」と教えられる。そういう「空気」のようなものが漂っています。でも今となれば、それは危ういことだという危機感を抱いています。

どんな物事であれ、「誰かと話す」ことが理解を深めるためにもっとも有意義な道になりえます。「政治の話は他人としない」という暗黙のルールのせいで、人々の政治リテラシーはいつまでたってもあがっていかないのではないか。

つまり、「政治の話をするな」という教育のせいで、我々は、空を飛ぶ翼を折られ、トゲを抜かれれているような状態なのではないだろうか。

「こんな事を改善してほしい」「こんな課題を抱えている」という日常に関わる話から、「あの政治家がいい」「あの政策がいい」「あの政党がいい」そういう話まで、政治をもっとポップにカジュアルにできないものだろうか。話をすることで自然と興味が生まれ、視野が広がり、理解が深まっていく。民主的な社会というのはそういうものではないか。

みんな、政治を恐れている。

ただ、今の環境ではそれができません。例えばSNSで政治に関する発言をしていると「偉いね」と言われることがあります。別に偉くなんてまったくないはずなのに。それくらい「発言できない空気」があるわけです。そう言う僕自身も、政治の発言を表でするようになったのは最近のことです。

政治について触れられないのは、今の政治の顔つきが、硬く、厳しく、冷ややかだからではないかと思います。間違ったことを言うと「にわかが政治を語るな」「勉強不足のくせに」と誰かに怒られる気がします(実際SNSでもすぐに怒られます)。言ってしまえば、みんな政治を恐れている。それはもちろん、人々ではなく、政治側に大きな問題があります。

確かに政治は難しい。この社会は膨大で複雑になりすぎたし、数多の課題の解決を目指す政治が簡単なわけがありません。そして多くは政治の素人です。僕ももちろん素人です。でも、その素人が政治を動かし、社会を動かす。それが民主主義でもあります。


「政治」とは「生活」である。

当たり前のことだけれど、僕たちの暮らしと政治は繋がっている。とてもとても密接に。そのことは、この未曾有の2年で多くの人が痛感したはずです。

だからこそ一市民である私たちは、政治を政治として捉えて過度に神格化したり、タブー視したり、ハードルを感じるのではなく、自分たちの身の回りにある社会や暮らしの課題に目を向ける必要があります。政治の話とは、私たちの「生活の話」です。

だからそのために、政治の入り口をポップにし、カジュアルにし、日常的にみんなが会話をしている、そういう社会にすることから始めたいと考えています。それが健全な民主主義への第一歩だと信じています。

それが僕がGO VOTE JAPANに携わった、いちばんの理由です。特別な教育を受けたり影響力や資本力を持った人たちだけのための政治ではなく、誰の周りにも等しく存在するひとりひとりの “暮らし”のための政治であって欲しいという願いからです。

どうせ、何も、変わらない。

GO VOTE JAPANをやろうと、辻と田代と話したのはきっともう半年以上も前だったと思います。そこからずっと自分の「無力さ」に苛まれてきました。

どうせ、何も、変わらない。
そう言う人もたくさんいます。

どうせ、投票率はあがらない。
どうせ、政治は変わらない。
どうせ、社会は揺るがない。
どうせ、一票じゃ変わらない。

そうかもしれません。明日の選挙当日、雨が降って投票に行けない人がたくさんいるかもしれない。一票を入れたところで変わらないかもしれない。

だから、こんなプロジェクトをやって意味があるのだろうかと、砂漠にタネをひとつずつ蒔くような絶望感がずっと付きまとっています。そうかもしれない。意味なんてないし、自己満足かもしれない。小さな声をあげたところで、大きな国はビクともしないかもしれない。どうせ、何も、変わらないかもしれない。

例えそうだったとしても、それが「やらない理由」にはなりません。僕は現状の社会に決して満足していません。まだまだ課題が山積みだし政治のあり方もおかしいと思う。だとしたら、ひとつひとつ変えていかなくちゃいけないし、変えるためには自分たちも行動しなくてはいけない。今回、仮に変わらなかったとしても、その次は変えられるかもしれない。その次で変わらなくても、その次は変わるかもしれない。今回で変わらないことと、未来が変わらないことはまったく別の話です。

そして僕自身、このプロジェクトをやろうと言い始めて、動き始めたことで、たくさんの素敵な人たちに出会いました。その人たちは「よりよい社会のために」熱量を持ってどこまでも誠実に活動している人たちでした。お金にもならないのに、睡眠時間を削りながら、社会に向き合ってる人たちがいる。そしてその多くは、僕よりも若い人たちです。その人たちの存在に、少なくとくも僕は大きな希望を感じました。きっとこの先、もっと大きなことに挑戦していけるはず。それだけでも、(僕にとっては)このプロジェクトを始めた価値があります。

いつの日か、もっと自由に、気軽に、みんなが政治のことを語り合える社会となり、よりよい未来へとベクトルが向かいますように。そう信じながら、GO VOTE JAPANの活動をこれからもひとつずつ進めていこうと思います。

明日は、衆議院議員選挙の投票最終日です。まだ投票に行っていない人は、ぜひ投票に行ってほしいと願います。シンプルに、投票って楽しくて、すがすがしいものです。難しいものでもありません。たとえ一票で変わらなくても、一票ずつ変わっていくし、あなた自身の何かが変わるだろうと思います。

明日は投票行って、久しぶりに街を歩いて散策して、少しいいごはんでも食べてみたりしませんか。

今よりちょっといい未来に思いを馳せながら。遠くから聞こえる希望の足音に耳をすませながら。


TOPに戻る
Go Vote Japan